道化の使命2 仮面の貴族
ざっくり読みました!
不憫なフィッツ……と思っていたんですが、
不憫なのは道化でした。なんかひどい。
人の気持ちをほったらかしにしちゃって、自分だけでいっぱいいっぱいになっちゃうのは
前からそうでしたけど、相棒を失ったせいで余計にひどくなったのでは。
なので、フィッツがちょっとくらい不憫でも、かわいそうだと思えなくなってしまった……。
ブリッチに対してだって、
(初恋の人モリーが、自分の育ての親と結婚しちゃったのはそりゃがっくりだろうけど)
もう15年も経って子だくさんで、子供のことでモメてる、まあ普通の家庭を築いているところへ現れたら、
ブリッチは身をひいてモリーを差し出すだろう。
って、フィッツは信じてるんだよね。でも、ブリッチのようにはモリーを幸せにできないって思っている。そんなことをしたら自分の血をひく娘だって、身の危険にさらされるし。
うわ!最低!莫迦野郎だ!
殴ってやれ!
ブリッチもモリーも、フィッツがひどい死に方をしたって思っているのに。
モリーは恋人のフィッツが王様を殺した犯人として牢で拷問されて死んだと思っていて、それでも彼の子供がいたから、ブリッチに助けられていっしょに逃げたりして、モリーをかばってブリッチが怪我をしたりして、いろいろあってブリッチを愛するようになったのであって、
とりかえのきくものじゃないだろ!
ブリッチの方が100倍いい男だしな!
ブリッチだって、フィッツは人としての尊厳を失って、獣のように死んだと思っているって泣いていたのに、その死が自分のせいだって思ってずっと苦しんでいるのに、どーして出て行かないかなあ!
いつも後先なんて考えないで突っ走るくせに(薬が抜けてきたからなのか……)こういうときばかり踏みとどまりやがってー!
さっさと出て行って殴られて振られろー!甲斐性無しめー!
まあ、そこがフィッツなんだなと。
ふだんがそうなので、たまに真摯に思いやりを込めた態度や、まっすぐな言葉を向けられると、誑されちゃうんだよね。すぐ酷いことするんだけど。
ところで、私はこの本を先にに英語版で読んでいたんですが。
(英語はかなり苦手で、これが洋書初挑戦)
フイッツがなにか言う度、そのあとに続く単語が「むっつり」の意味ばかりで笑いました。
Golden Fool: Book 2 of The Tawny Man (Tawny Man Trilogy)
- 作者: Robin Hobb
- 出版社/メーカー: Spectra
- 発売日: 2003/12/02
- メディア: マスマーケット